ああ「俺」はまた留年するのか。どうしてだ、最善は尽くしたはずなのに!
あんな最悪の日はもう過ごしたくない!それなのにこんなのってあんまりじゃないか。俺は悪くない。そう思いた込みたいが目の前の現実がそれにNOを突き付けてくる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!!
そう嘆く「俺」の元へひとりの男が現れた。それは{俺}だった。{俺}は言った。
「どんなに嫌だと泣き言をいくら並べても仕方ないことだ。ならば俺は拒絶する。俺は俺を拒むこの世界そのものを拒絶する。拒絶した次の世界の中で俺は俺ではない何者かとして再び生き続けるだろう。それでも構わない、全ては循環の中の一存在に過ぎないのだ。」
そうして「俺」は{俺}を信じ、この世界を書き換えることにした。
ただ一言つぶやけばいい。
『秩序の再構築(デコードオーダー)』
すると{世界}は音をたてて崩れ始めた。
「ほら、わかるだろう。そして視えるだろう、あるべき世界の器(かたち)が」
{俺}は「俺」に向かって話しかけた。
「俺」は{俺}の言っていることを次第に理解(よみこみ)始め、その全貌の真相にたどり着いた。本当(しんじつ)の政治史評価はFなんかじゃあないんだ。ただ俺が(そう)思い込んでいただけで初めからFではない状態でそこに存在していたんだと。
そのことに気づくと同時に世界は変ったんだ。
ようやくわかったんたんだ。「俺」は{俺}だったんだね。
はい、つーわけで政治史ちゃんと取れてました。君たちを試しからかいましたスミマセン。でもさー、こんなのに騙されてるようではまだまだインターネットリテラシーがアレなんじゃないっすかね(笑)。よく見れば本物(しんじつ)に到着した(わかった)かもしれないのに。
おそらく大学卒業の権利を得た、ということは世の中的にはそれなりの教養人側にいるはずなのだが、大学で学んだといえるたった一つの事柄は「イケメンでも彼女できないやつはたまにいる」ということだった。この知識を役立てていけるよう日々精進したい。「俺」は{俺}であるからこその俺なのだ。
大学はメチャクチャ楽しいということはなかったがそれなりに楽しめたかもしれない。
泡沫の興とは得てして(そういう)類のものなのだ。