僕の戦争

皆様お元気に過ごされておられますでしょうか?皆様サラリーマン生活で毎日消耗していらっしゃいますか?こちらは変わらずです。悪くも悪くも。2016年度に一緒に大学に入学した連中は新卒入社して1年経過したことになるのですが社会には無事適応できたのだろうか。特段ライン等連絡を取っているわけではないのでTwitterのつぶやきから察するに、上手く場所に適応できたやつもいればそうでもないやつもいるように見受けられる。ハハッ、ザマァ。ザマァ ザマァ ザマァ ザマァ ザマァ。とはいえ大学で一緒だったやつらからしてみれば今の俺の状況のほうがザマァなのでザマァの共食い関係にあると言えるだろうか。そもそもTwitter空間で「私、今夢に向かって一生懸命頑張ってて仲間もそれに共鳴してくれて何もかも満たされてて毎日サイコ―!!!!」みたいな言説がウケるということがあり得ないのであえてツイートされることもない。どちらかというと、焼肉の写真に「嫌いな上司でも焼くとけっこう美味い」とツイートするくらいがちょうどいいのだろう。なにが言いたいのかって言うとTwitterなんて当てになんないってことだ。

 

俺の話をさせてくれ。俺はまあご存知の通り大学を留年したわけだが留年以前と比べて改心したとかそういうことも一切なくただ毎日ボケーッとしてる。ハハッ最高だろ?最高だよ。ただ、まずいなという思いも少しだけある。どうしてやるべきこと(就活と卒業)をやれないのか一つの理由として挙げられるのが就活と単位修得の両立が俺にはできなかったからだと思う。理論上単位を取り終わった今の俺が振り返ると単位なんてその気になれば1週間用意して本気で取り組めば取れるのだから試験前の1週間だけ空けておいてそれまでの期間で就活すればよかった。なんとも小学生並みの感想といったところだが実際そんなところだった。では実際の俺はどうだったかというと、就活と単位修得の優先順位が決められず、どちらにどれだけの時間とリソースを割けば良いかわからなかった、、、、

 

 

というわけでなくただ純粋にやる気がなかった。「暖簾に腕押し」という言葉を体現していた。自分でもやらなければならないということはわかっている。客観的に見て(「客観的に見て」というフレーズが文法上正しいのかという議論をここでは無効にして破壊する)大学4年生が就職活動すべきなことくらい、ちょっと賢い小学2年生でもわかることだ。俺はちょっと賢い小学生にさえ敗北したのか。いや俺の方が百マス計算はえーから、24歳をなめるなよクソガキが。

 

ただわからなかった。どうしたらいいのか。色んな意味で。とりあえず「色んな意味で」と言葉を濁しておけば読み手が勝手に解釈してくれて👍エンディングを迎えられると期待したいがあえて切り込んでいく。ヤブカラボーに大学3年の3月に「はいじゃあこの無限にも近い膨大な選択肢の中から一つの解答を出してください。期限は数か月以内。解答にはそれぞれ選択した動機を説明でき、そして相手を納得させるだけの理由が必要です。」俺には「これ」がよくわからなかった。

 

これを読んで「そんな条件皆一緒なんだからその中で適応できなかった低能のお前が悪いのだと私様が教えてあげます」と思った読者の諸君!エライねぇ満点だ!ぐう正!ギャフン!とまあこのへんでいいですかね。ただ、ずっと前からわかっていたことだがこの状況というのを良しとすることはできない。なぜか?それは順当にいけば親のほうが先に逝くからだ。いつかはこの状況から脱するときが来る、というか来なければならない。だがしかし、今の俺には全くもってやる気がない。そのやる気のなさをマイナビのサイトを毎日見て克服しようなんてナンセンスだ。なんで俺はここまでやる気がないんだろうか真相は俺にもわかっていない。俺は俺自身を知らなければならない。そのために脳ミソの奥の方を引っ張り出していこうと思う。

 

大学1年

朝井リョウ原作の映画『何者』を観た。就活を通して人間関係が変化していくという話で当時祖母からの合格祝いで一人豪遊していた俺には全く共感できなかったが、ぼんやりと就活にたいして良いイメージを持たなくなった。就活のシーズンにほとんど誰とも連絡を取らなかったのもこの影響なのではないかと思っている。

 

大学2年

なんも覚えてないし、とくに何もしてない。(これから先なんもしてないと書くときはyoutubeみて飯食ってシコって寝ていたという意味だと解釈してほしい)

 

大学3年

4月ごろからなんとなく周囲にも「そろそろ就活」といった雰囲気が漂い始めているのを察し、何かした方が良いとは感じていた。国際公法ゼミに所属していた先輩の紹介でしょーもないセミナーにも何回か参加していたが生産的な成果をあげることもなくただ情報を受け取っていた。

 

夏と秋には1社づつインターンに参加した。先述の先輩の影響であった。夏のインターンはウェブ系のベンチャー企業で特に行きたいと思ったこともなかったが倍率が高かったらしく(80倍~100倍)なんか通ったという嬉しさだけで参加した。行ってみると皆会社の人はジェルで髪テッカテカでブッリブリでウェイウェイしていた。インターンのテーマは自己開示と他者との協調力を磨くことで、まず俺は自分の班員の自己開示を聴いて”フィードバック”した。その際班で一番可愛かった女子(川口春奈似)に「あなたのことが生理的に受け付けない、理由はわからない」と言われた。大学に入ってからはそれなりに他者に嫌われないようふるまってきたつもりであったし、第一こんなこと言われたこと生まれて一度もなかったのでそのことだけは鮮明に覚えている。言った本人が可愛かったから覚えているだけかもしれない。その後2日間かけてしょーもないミッションをこなし班ごとの点数を競い合い、しょーもない絆を高め合った結果ラインとインスタグラムの友達の欄が4つ増えた。しょーもな。

 

秋のインターンは先述の先輩と仲の良い同世代のブリッブリのやつに「タダで焼肉食えるセミナーがある」と誘われ、まんまと行ったら会社の人事のお姉さん(44)に気に入られ、悪い気はしなかったし肉も美味かったのでインターンに行くことにした。先のウェブ系ベンチャーとは違い、クリーンなキャバクラ経営をやっているらしいというのは怪しかったが選考もなく他人の金で北海道旅行ができるという幸運に乗っかった。到着後班を組みテーマに沿って発表することになった。班員は俺以外が全員京大生でメチャクチャやりにくかった。会社の人事のお姉さん(44)は俺を女性慣れさせたいという理由で京都の神社の巫女に選ばれた絶世の美人を用意したと言っていたが実際そんなにでもなかったと思う。ただ「そんなにでもないですね」と説明する度胸も必要もないので心にしまっておいた。京大生達がハチャメチャに優秀だったのか俺がテンパっていたのか、班員の京大生同士が元から知り合いで連携がうまく取れていたからなのか真相はわからないがこのインターンでの俺はクソカスに無能でしかなかった。発表スライドを共有しながら作成するのだが何をいつまでどれだけやったら良いのかわからず完全に置物と化していた。結局やってるフリだけして他の班員に全部やらせた。本当に無能でしかなかった。京大生に「九大は無能のカス集団」と思われる原因を作り上げてしまい申し訳ない。その夜会社が経営しているキャバクラに行った。店内はミラーボールのライトでギラギラしており女の人にもついてもらったのだが金払ってないとこの程度のレベルの女が付くんだということは勉強になった。風俗嬢も休みの日はスプラトウーンしているらしい。こっちのインターンはそれなりに勉強になったし京大生は優秀だった。

 

冬になり本格的に就活シーズンっぽくなってきた。俺は自己分析とか業界研究とか自分なりにやってみたけど無理だった。就活系のyoutubeを観て勉強したりfacebookで自己分析を高め合う会みたいなのをやったりしたが結局よくわからなかった。俺は自分がどういう人間なのかいまだによくわからないしそれを説明することもまたできない。どこを目指してるっていうのもよくわからない。キャリアとか全部抜きにしたら超面白いyoutuberになりたい。どういう業界に入りたいというのも全くピンとこなかった。強いて言うならゲームが好きだからゲーム業界に行ってみたいというくらいだった。

 

3月になる直前に携帯を機種変した。前の携帯とナビサイトの連絡先を紐づけていたのでもし連絡することがあったら前の携帯に連絡しているんだろう。そのことに気づいたのは3月の終わりだった。また、エントリーしようにもナビサイトと企業のホームページにログインできず、何もかもどうでもよくなってモンハンXXのラスボスのアトラル・カを意味もなく蹂躙し続けていた。

 

4月になりさすがにちょっとヤバいかもしれないので新しいアカウントを作り、就活を始めた。九電の子会社と中堅の総合商社がそこそこ良いところまで面接が進んだ。九電の子会社の方は面接の際に「ウチがどういうサービスやっているか知ってる?」と聞かれたのに「知りません」と答えたり、「他の会社とウチの内定出たらウチのを承諾してくれるか?」という問いに「早く内定出してくれた方に行きます」と答えたのが良くなかったと帰りの電車内で反省した。総合商社の方は終始ありのままのあなたを見せてくださいというスタンスの面接だったので文字通り何の準備もせずに行った。「バイトはしていません、無駄なので」とか「完全に趣味でウェイトトレーニングしてる」とか「金がないので毎日卵かけご飯だけ食ってる」みたいな友達に話すような内容が面接官にちょっとウケたのか最終面接で東京に行くことになった。ここで終わらせなきゃいけないという使命感があった。なぜならもうこれ以上無駄に疲れたくないからである。さっさと気兼ねなくゲーム漬けの生活に戻りたいと思っていたが、最終面接にして初めて「大学でどんな勉強したの」や「ウチ入って何がしたいの?」ときかれ、全く答えられずゴニョゴニョ取り繕ったが落ちた。面接の最中に落ちたと確信し、その後先輩社員との面談では色々話しかけてくれていたが何も入ってこなかった。この時の敗北感、消耗感は今でも引きずっている。ここで終わっていれば、、、とはいまだに思う。

 

その後は九大生としての特権を利用するために福岡にある青とオレンジの銀行をふたつ受け、ふたつ落ちた。青い方の面接では「大学では全然勉強しませんでした」と受け答えたのが良くなかった。どうやら就活では言ってはいけないことというのがあるらしいというのがこの辺でわかってくるが全くもって遅すぎた。オレンジの方は九大特権で最終面接まで行ったのだが、ありきたりなことを言って難を逃れたつもりでいたが受からなかった。九大生でこの二社に落ちるとは思っていなかったのでかなりショックを受けた。

 

それからはもう敗戦処理だ。飲食系を受けに行くも「なんで九大卒の俺様がパンなんざこねなきゃいけないんだよ」と内定がないのに自意識が暴走し2次を辞退したりしていた。そしてテキトーに過ごしているうちに留年を決めたというわけだ。あとは今に至る。

 

とどのつまり、俺が今就活に対するやる気を見失っているのは「自分が会社に入って何をしたいか」とか「自分はどういう人間か」とか「学生時代何を頑張ったか」とかに大胸筋をバンと張って答えられるほどの解答を持ち合わせていないことが原因だと思っている。今マジになって答えようか。「自分が会社に入って何をしたいか」←生きるための金が欲しい That's all.「自分はどういう人間か」←わからないし永遠に知りえない、過去の経験上まあまあ明るい性格ってやつなのかもしれない。「学生時代何を頑張ったか」←ウェイトトレーニングはやってた、今はやってないけど、その他協調性に関することならなにも頑張ってないっす、協調って無駄なんで。

 

これを言うことになる。君たちみたいな就活頑張った人達が見たらこれを言うことがどれだけその場において「スベってる」ことなのかご理解いただけるだろう。だからやりたくないんだ。やったっていいけどどうせ負けるってことだ。いやちょっと違う。多分あと10回やれば内定なら1回くらいとれるんじゃないかと思っている。ただそれをしてまで頑張って自分を摩耗させたところで内なる神に背くことになる。内なる神に背いた上での未来なんか必要ないってことだ。

 

とはいってもせっかく大学を卒業することになったし最終的には神様と戦うことになりそうだ。俺は若さというチャンスを自らどぶに投げ捨て続けている。22卒はさらに就活が厳しくなるらしく自ら苦しい方へ苦しい方へ進んでいっているのかもしれないがこれがMy Choiceだ、後悔はない。