労働、絶望、希望

働き始めて2週間経った。そろそろ身体が生活に慣れてきたのでこうして文句を書き綴ることもできるようになったというわけだ。

まず前提として俺がどういう状況なのか話しておく必要がある。先月に俺が採用されたのはある人材派遣会社でその会社の正社員として岐阜の会社に派遣され働いているといった具合だ。

会社見学の際はあまりピンと来ていなかったのだけれど、働き始めて感じたのはこの労働がメチャクチャ肉体労働だということだ。毎日モノを運んだり台車を押したり太いワイヤーを引いたりといった感じで脳を使うことはほとんどない。使うのは専ら身体だけだ。もう少し頭脳労働もするのかと思っていた俺は最初2日くらいは動揺していたし腹も立ったが今となっては何も感じなくなってしまった。

さらに夜間勤務もある。今週の就業時間は夜中0時から朝の8時までだった。今日はその後すぐ身支度をして電車に乗って名古屋の実家に来ているので正直今眠い。眠いのか眠くないのかわからないくらい眠いが努力して文句を書いていこう。人材派遣会社の方針としては最初の1~2年は夜勤アリで実務経験を積んでステップアップさせていくらしいがどれほど信頼出来るのか分からない。1年くらいだったらこの肉体労働生活も耐えられないこともないが、なんの保証もないただの口約束にマンマと乗せられて無為に時間を過ごすことは本望ではない。

今の俺には3つ選択肢がある。このまま労働を続け口約束の1年が経つのを待つ、もっとマシな派遣先にしてもらえるよう会社に交渉し応じさせる、この会社を辞める。現状はこの3つだ。

配属してしばらく経つと会社の人間と面談をすることになっており、今回名古屋に帰ってきたのはその面談のためだ。今のところ別の派遣先にしてもらうことを希望している。すぐに辞めないのには理由がある。この会社には唯一優れている点があり、それは正社員なら派遣先で働かなくても給料が発生することだ。ちゃんと働いたたときより5万円ほど引かれるのだけれどそれでもギリギリ生活出来るくらいの金は貰える。この金が貰えている間に次の策を講じる。早い話転職だ、働き始めて2週間で転職体制に入るとは思いもしなかったが現状そうなっている。

転職しようと考えている理由にはもちろんこのファッキン肉体労働がファックだからとか、派遣仕事の将来性がないからというネガティブな気持ちもあるのだけれど、ポジティブな理由もある。

岐阜で働き始めてすぐに「俺はここにいるべきじゃない」という実感が湧いた、じゃあどこにいるべきなのか、何をすれば楽しかったり満足したり幸福になるのか、あれこれ仕事をサボりながら考えていくと1つ俺はコレになりたいという願望が降りてきた。

まだその願望には届かないから着実に準備していく必要があるが、大学3年からつい先日まで「やりたいことなんかねーよ」というスタンスだった自分がやりたいことを見つけたというのは意味があった。それだけは岐阜に来た意味があったし、それだけで来た甲斐があったと言えるかもしれない。

仮にその願望に届かずとも何かを目指したことは次に繋がる、また次の願望、野望、展望が見えてくるはずだ。

俺は進み続ける、この先に希望があると信じて。