お前のオールをまかせるな

今日岐阜に行ってきた話をす。以前かかってきた電話にしぶしぶ出たら今日の日付で岐阜の工場見学に行くよう命じられ、断れる道理もなくハイとふたつ返事で今日電車を乗り継ぎ岐阜まで行ってきた。

 

指定された駅に時間ギリギリで到着すると、恰幅のいいオッサンと同い年くらいのスーツのヒョロめの子が立っていた。どうやらこのオッサンが工場まで連れて行ってくれるらしい。軽く自己紹介の後、俺とヒョロはオッサンに言われるがまま車に乗り込んだ。

 

車の中でどういう仕事がしたいのかどうなりたいか等聞かれた。ヒョロはエンジニアになりたいらしく大学中退した後プログラミングスクールに通っていたらしい。俺も同じ質問をされ、「老人介護と死体処理以外なら仕事内容に拘りはないです」と言いそこそこウケた。

 

その後「ぶっちゃけ今回の案件受けたいと思った?」とオッサンに聞かれ、俺は正直嫌だなと思っていたが口に出せなかった。理由は、エンジニアをやるという話だったのに何故か工場でオペレーターみたいなことをやるというのは意味不明だし、夜勤が当たり前にあるし、週休二日制でなく6行って2休む制度らしいし、ていうか岐阜だからだ(岐阜は想像以上に田舎だった、ゼミ旅行で行った天ヶ瀬よりも田舎かもしれない)。

 

ヒョロの方も同様だったらしく「出来れば他の選択肢を考えています」と返答した好機に乗じて「僕もそんな感じスかね、ハハ」と曖昧な返答ではぐらかした。

 

工場で働く前に面談があるようで工場近くのコンビニに車を停めて面談の受け答え練習をした。この段階でこの会社で働くということは面接まがいのことを延々とやり続けることだと理解した。面接から逃げた先で面接をやらなければならないというのは皮肉なもんだ。

 

工場に到着し、まず工場内部を見学した。工場には金属を加工、塗装、デザインの印刷、○○(忘れた)の4工程があり、見学中は係の人が大声で案内してくれていたのだが機械の音でかき消されて何も聞こえない、ので何か聞こえている感じで相槌を打ち、係の人を気持ちよくさせてあげていた。余談だが金属加工は圧巻だった。ものすごいパワーで機械が金属を変形させていく、ダンガンロンパV3の王馬クンがぺチャンコにした機械にかなり似ていた。あのシナリオ考えた人も金属加工の現地見学に行ったのだろうか、そのことばかり気になっていた。

 

見学が終わり、面談。やや面接風だったがほぼ自己紹介だけで特別圧は感じずに終われた。面談が終わったので、オッサンに駅まで送ってもらい即帰宅。ヒョロは静岡から来ていたらしく、名古屋までは帰り道が同じだったので一緒に帰った。ゲームが好きな話(ヒョロは時代は令和にもかかわらずモンストと荒野行動が好きらしい)とか、できればここの会社行きたくないよねという話をしながら電車の中を過ごした。

 

帰宅すると即電話がかかってきて、出ると早くこの会社に来てくれという内容の電話だった。帰りの駅までの車でオッサンとの会話で「激しい音に耐えられない」「塗料の臭いに耐えられない」といった体質であればこの会社では働けないというヒントをもらったので早速このヒントを使ってみた。担当は少し慌てた様子でまた電話すると言っていたが、「激しい音に耐えられない」という短刀で俺は抵抗する、何度でも。岐阜でクソカスの労働なんてお断りだ。

 

といった感じだった。いや~なめてたね~本当に就活をっていうか人生を。「けっこう良い会社ですよ~」って言ってたマイナビのアイツ、終わってる。良いわけないだろカス。いや、肥溜めの中ではまだキレイな方のウンコなのかもしれないがかなり労働条件は良くない、アイツマジ終わってる、よくこんなところ推薦出来るな、心が完全に破壊されてないとできないぞこんなこと。アイツもアイツで心が破壊され切っているのかもしれない。でもアイツにキレるのもお門違いだ、俺がアイツを信じて託したというと聞こえは良い、マイナビのアイツに全て任せて考えることを放棄してしまった俺の失敗なのだ。ようやく実感してきた、おそらく俺は失敗した入るべきでない会社に入ってしまった実感がフツフツ湧いてきた。次があるのなら必ず自分の手で全て決断しよう、そうでないと後悔が残る。

 

おいそこのお前、お前のオールをまかせるな。