就活を終えて

2週間ほど前に就活を終えた。今でもまだ就活に対する嫌悪感は残っている。俺にはやりたいことはない、特別頑張ってきたこともない、入社したとてこれから頑張っていく情熱も持ち合わせていない、それなのに面接では自分を偽って価値のある人間だと相手を欺かなければならない、これは未だに気持ち悪いと思っている。

 

1人では就活を終わらせることができなかった。この嫌悪感をエージェントに解消してもらうことでようやく就活に向かうことが出来るようになった。俺はエージェントのアドバイス機械的に多少人間味を加えつつ面接の場で再現したので終わりに到達した。

 

内定は2個もらった、どちらがいいのかエージェントに尋ねると1個は紹介できる会社の中ではそこそこ良い会社に受かったらしく、大学受験で例えるなら早稲田大学に受かったみたいなものですと言われ、「早稲田に受かったなら行くか」というエージェントの操り人形で内定承諾をした。

 

俺の就活は親に急かされて始まり、エージェントに予定組まれて、志望動機作られて、面接させられて、内定させられた意思の介在しない就活であった。今でもこれで良かったのかと不安に思うこともあるが、俺1人では終わらせることが出来ないことを終わらせられたことは良かった。1人で就活していたら30までニートを続けていただろう。今は波に揺られるまま勝手に進みだした船の行く先を静観しよう。

 

ようやく俺は就活を終わらせることが出来た。終わったときは解放感に満ちていた。「これからやりたかったことたくさんできるぞ」という期待があったが今のところ就活以前とほとんど変わらない生活を送っている。モンハンして、Twitter見て、Youtube見て、ポルノサイト見て、著作権を侵害しているであろうエロ同人サイトを見る日々だ。生活に目新しさが欲しいと思うものの、家の中にいると思考が硬直し同じ軌道の思考ばかりしてしまい新鮮味に欠ける日々を送り続けている。

 

10月の中旬に入社することになった。あと2週間程度しかないので今のうちに足掻けるだけ足掻いておこう。といってもモンハンで昼夜逆転するくらいしかないのだけれど入社までにこれはやれたということが1つでも多く作れるよう願っている。『シャン・チー』を観れたのは良かった。

 

仕事はというと、エンジニアをやるらしい。客先常駐みたいな感じ(細かいことはわかってない)で夜勤の可能性もあるらしい。客先常駐のエンジニアは入るべきではない業界トップ3という趣旨の動画を以前見たことがあったので本当はやめておいた方が良いのかもしれないが悲しくなる情報なので今は知らなかったフリをしておくことにする。

 

今の俺にはやりたいことがない、やりたくないことも特別ない(ウンコと死体処理、老人介護、ガテン系の仕事はやりたくないけど)のでこの仕事をしてみることでこれからの自分の向かうべき指針にしようと思っている。

 

仕事をしていくのは大変なことだと思う。他者によって決められた課題をこなすことはどうしても楽しいことばかりではないだろうが、その中で1つでも楽しめる要素を見つけたい、仕事がうまくいって面白いとかじゃなくても、受付のお姉ちゃんが吉岡里帆に似ているとか、近くのネパールカレー屋が美味いとか何でもいい。

 

もし、この仕事が嫌だなと思うのであればすぐにでも辞めようと思っている。Twitterを見ていると仕事辞めたい辞めたいと言うもののなかなか辞めないやつがフォローに何人かおり、俺にはこの感覚がわからない、そんなに嫌なら辞めればいいのにとしか思わないが、自分も働くようになれば「辞めたいのに辞められない」感覚の一端に触れることが出来るかもしれない。それは少し楽しみだ。